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JINS MEMEのライフログで 採用のミスマッチがなくなる!?
未来の面接プロジェクト「Life Interview」座談会

3rd PARTY PROJECT 2016.09.13

「Life Interview」は、メガネ型デバイス「JINS MEME」を使って“ライフログデータ”を収集・解析し、就職・転職希望者と企業の“本質的”なマッチングを図るというサードパーティプロジェクト。 今回はプロジェクトの運営元である株式会社インテリジェンス・森本大さん、制作協力として参画する株式会社カヤック・佐久間亮介さんをお招きし、「Life Interview」に込めた意義や狙いについて、JINS MEME事業開発担当・井上一鷹がお話を伺いました。

座談会メンバー)
中央:株式会社インテリジェンス キャリアディビジョン マーケティング企画統括部DODA編集部 広告宣伝グループ 森本 大
左:株式会社カヤック 企画部・人事部 佐久間亮介
右:株式会社ジェイアイエヌ JINS MEMEグループ 事業開発担当 井上一鷹(聞き手)

「未来の面接プロジェクト」とは?

ジェイアイエヌ・井上一鷹(以下、井上):私どもの「JINS MEME」を活用していただいている「Life Interview」ですが、まずはこのサイトをご覧いただいている方のため、これがどんなサービスか簡単にご説明いただけますか。

インテリジェンス・森本(以下、森本):「Life Interview」はJINS MEMEを装着することで、装着者の「ライフログ」をリアルタイムで取得・解析できるというサービスです。ライフログでは、一般的なオフィスワーカーの働きぶりがわかる象徴的なものとして「FOCUS」(まばたきの回数からわかる集中状態)、「CALM」(まばたき強度の安定性からわかる落ち着き状態)、「POSTURE」(体軸バランス)の3種を採用しています。

これらのライフログで、履歴書や面接では知り得ない個人の特徴を把握できるばかりか、例えば、企業で同様に取得したデータとのシンクロ率を測定することで、ミスマッチの低下に寄与できると考えています。

未来の面接プロジェクト Life Interview | DODA コンセプトムービー

井上:もともとはインテリジェンスが2015年11月に発足させた「DODA未来の面接プロジェクト」の第2弾企画としてスタートしているんですよね。

森本:はい。昨今、私どもの調査では企業による求人数は20ヶ月連続(2016年7月時点)で過去最高値を更新し、求人数(採用予定人員)÷転職希望者数から算出される転職求人倍率は1.02倍(※)となっており、雇用情勢は良くなっていると言われています。一方で、転職や採用の現場では、マッチング精度における課題は依然、存在しています。転職サービス「DODA」を展開している当社として、「何かしらのテクノロジーを使うことで、既存の就活・転職のスタイルを進化させたい。マッチングレベルを向上させたい」という思いがありました。「未来の面接プロジェクト」はそうしたことから発起したプロジェクトなんです。

各数値は転職サービスDODA(デューダ)ニュースリリースより(http://www.inte.co.jp/library/recruit/20160808.html)

井上:「未来の面接プロジェクト」第1弾企画も、面白い企画でしたよね。

森本:昨年11月に第1弾企画として「VR面接」をリリースしています。これはヘッドマウントディスプレイ(HMD)・オキュラスリフトを装着した被験者の声から感情値を分析し、面接官である坂本龍馬が被験者の職能タイプを診断してくれる、というサービスです。DODA転職フェアなどでは体験ブースを設置しました。

発端は『ドラゴンボール』のスカウターだった!?

井上:カヤックの佐久間さんは、「未来の面接プロジェクト」発足当初から参画されているんですよね。

カヤック・佐久間亮介(以下、佐久間):はい。おかげさまで「VR面接」はかなりの好評を得まして、第1弾としては大成功だったと思います。ただ一方で、採用のマッチングレベルを向上させる面では、まだまだ改善の余地があると森本さんらと議論を続けていました。

その議論が第2弾企画「Life Interview」につながっていったんです。

井上:たしか当社にお声がけいただいたのは、「VR面接」がリリースされた昨年11月頃のことでした。

森本:そうですね。VR面接をリリースした頃、ちょうどJINS MEMEの発売が開始され、「これは面白そうだ!」とお話を聞きに行ったのが最初になります。

井上:もともとメガネ型デバイスには着目されていたのでしょうか。

森本:プロジェクト初期段階でカヤックの皆さんとブレストをしていたのですが、たしかそのなかで漫画『ドラゴンボール』のスカウター的なもの(作中に登場する片メガネ型の装着デバイスで、相手の戦闘力を測定・表示することができる)があったら面白いね、なんて話をしていたんです(笑)。

井上:私が最初に皆さんからお話を聞いたとき、率直に「とても素敵なアイデアだな」と思いました。転職市場においてもビックデータ時代を迎えているなか、履歴書に書いてあるような情報だけでなく、JINS MEMEで取得するライフログでその人にマッチングする会社を見つけていく——。

JINS MEMEのメーカーサイドに立つ当社としても、今までできなかったアプローチだと思いました。そうした市場があることすら、私たちだけでは絶対に気づくことができないと思います。

森本:そうした点では、JINS MEMEはSDKを公開していますよね。SDKが公開されていることで、我々のような第三者も、アイデアを実現するために0からデバイス開発をしなくてもいいですし、第三者の視点からJINS MEMEを捉えることで、新たな発見がありそうですね。

井上:市場をつくっていくという面では、その市場のことを常に考えている企業には絶対にかなわないと思います。我々メーカーサイドも、実際に該当業界でサービス開発をされている方々と考えていかないと、お客様にとって本当に意味があるものを提供できないんです。

“レギュラー状態”でマッチングさせる

井上:ところで「Life Interview」では「いつ・どこで・何を」という“24時間”のスケジュールデータまで取得できることが大きな特徴です。いわゆる就職活動や転職活動などで活動している時とは異なる「日常生活におけるライフログ」を取得することになるのですが、20代の佐久間さんはこの点についてどのように感じていますか。

佐久間:自分と同世代でも、入社2〜3年で会社が合わずに辞めてしまう人が多く見受けられます。だけどその人が特段、人よりも劣っているというわけではないんですよね。これはプライベートで見せる優秀さと、仕事で求められる職能がかけ離れていることが原因です。もし普段見せることのできる「集中力」を活かせる職能・職場がどこかにあるのならば、潜在的な能力と仕事とをリンクさせることは、とても素敵なことだと思います。

井上:私は就活や転職の面接って「白衣高血圧」と似ていると思うんですよ。病院の診察室という非日常空間に身を置いた精神状態に影響されて高血圧を示すという、アレです。

佐久間:たしかに面接というのは普通の人にとって、人生における非日常空間ですよね。

井上:面接に挑む20〜30分でなんとか形だけ繕おうとすると、それが「是」となり、ヘタすれば40年以上その状態のままその会社で過ごすことになる。それってある意味でつらいことじゃないですか。今現在のレギュラーな自分、そして、将来そこで働いているレギュラーな自分——。

「Life Interview」はこの双方のレギュラー状態を擦り合わせていくということであり、そのための「24時間ライフログ」という考え方は本質的に正しいと思います。

「Life Interview」が社会インフラになる未来

井上:プロジェクトには企業・大学も参画されているんですよね。

森本:カヤックさんのほか、アクセンチュア、DeNA、Yahoo! JAPANの各社、慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス(SFC)、首都大学東京、多摩美術大学の各大学機関に参画いただき、実際の社会人・大学生のデータ収集にご協力いただいています。

今後は実証実験の結果発表会を開いた後、本格的なアプリリリースに向けて開発を進めていく予定です。

井上:実際のご利用シーンはどういったものを想定されていますか。

森本:例えば、当社が企業と転職希望者へJINS MEMEの貸出を行い、転職希望者とその企業で活躍している社員のライフログをマッチングする、といった使い方です。我々インテリジェンスは、新たな採用方法の提案と、企業と個人(転職希望者)のハブのような機能をこれからも担いたいと思っています。

井上:まさに「メガネをかけることが面接になる」という未来ですね。

佐久間:私は幸い、自分に適した会社に恵まれ、常日頃から仕事って楽しいものだと感じています。しかし皆が皆同じことを感じているかというと、そうでもないじゃないですか。やはり日本国内では働くことに息苦しいイメージがつきまとっているように思います。「Life Interview」によって転職がとてもカジュアルになるし、自分らしい働き方がもっと浮き彫りになれば、日本はとても幸せになるのではないでしょうか。

井上:日本ではホワイトワーカーの生産性が低いと長年いわれていて、まだその解決手段が見つかっていませんよね。ストレスチェックが義務化されていますが、いまだ心を病む人が増えている。精神論で「頑張れ」というのも間違ってはいないと思うのですが、それならばその責任として、就職者・転職者を迎え入れるインフラを整備しなければいけません。

採用シーンを劇的に変えるであろう「Life Interview」には、私自身も大きな期待を寄せています。本日はありがとうございました。

(文:安田博勇 / 写真:田中由起子 / 企画構成・編集:東京通信社)

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