Lab.

プレッシャーに負けないチカラ
e-Sportsプレイヤーときどの集中力トレーニング

アタマLAB. 2017.05.29

国内外で活躍しているe-Sportsプレイヤーのときどさん(以下敬称略)。前回は集中力を高めカラダを整えるためのトレーニングを実施し、今の自分に足りないものは何か? もっと上に行くためには何が必要なのか? 今、真正面からぶつかっている壁を打破するためのヒントを得ました。

 

切っても切れないココロとカラダの関係。今回は高い集中力を支える安定したココロを手に入れるため、JINS MEME ZENマインドフルネス・プログラムを妙心寺の春光院で受けることに。この二つのトレーニングでときどは無敵のe-Sportsプレイヤーと化すことができるでしょうか…!?

ゲームは試合。試合は集中。一糸乱れぬ集中力はどう作ればいいのか

 

マインドフルネスのプログラムを受ける前に、川上副住職を交え現在ときどの頭を悩ませている課題について話を伺いました。

 

ときど:ゲームをやっていて思うのは、平常心がすごく大切だなと。スキルでほとんど差がないような強い相手に画面の中で詰められて、厳しい状況に追いやられることがあるんです。そういう時、相手をどう倒せばいいか、どう攻撃しようかと自分の中で心のせめぎ合いがあって。

 

本来、強いプレイヤーっていうのは自分が思い描いた通りのプレーができて、頭が真っ白になったりしないと思うんです。でも僕の場合、相手に攻められるとヤバイっ!て動揺してしまって、試合中も後も自分の心がドキドキしてるのがわかってしまう。そんな自分を変えていきたいんです。

 

川上:マインドフルネスを毎日続けて、ストレスを常に下げた状態に持っていくんです。それから、普段から安定したトレーニングを積むことも大切ですが、どこかでそれを狂わせて、敢えて自分に負荷をかけてみましょう。

 

日本人はなぜ相手のいるスポーツに弱いと思いますか? 日本って電車もバスもすべてが定刻通りに来るので、すべての状況を読めた上で行動できてしまうんです。海外に行くと電車で遅れることなんか当たり前。それに慣れていない日本人は、予定通りにいかないと軽くパニックに陥ってしまうんです。

 

そういう適応能力を養うためにはオンフィールドのゲームの世界だけではなく、オフフィールドでの逆境力を育てていくことが大事になってくるんじゃないでしょうか。

 

ときど:確かに、日本人は不測の事態に弱いかもしれませんね。  

川上:固定概念を外していくというか。こうだろうなって頭の中で思っていても、突然手のひらを返されることって絶対あるんですよ。そのパターンを日常生活のどこかで入れていくことが、その課題を解決する鍵になってくるはず。  

ときど:ゲームの中じゃなく日常生活でイレギュラーなことを取り入れる、それは考えたことがなかったですね。  

川上:メンタルトレーニングって聞くと心を「鍛える」イメージを持たれがちなんですが、瞑想は「整える」こと。想定していなかった事態が発生しても、自然と心を落ち着けてクリアにする。そこから物事を冷静に判断して軌道修正をしていくんです。

 

しかし、普段から瞑想を行わずに想定外の状況に陥った時だけ、咄嵯に呼吸で何とかしようとしても、うまく回避はできません。

 

例えばですが、スマートフォンも持たずに国内外の知らない街に行ってみて直線の道しか歩かない、みたいな。いつもとは違う場所に出向いて行動してみましょう。そうやってどんな状況でも心が動じないようにして、日常の精神面を整えていくのが答えだと思います。

マインドフルネス・プログラムでさらなるさらなる集中力を開花せよ!

 

麗らかな陽射しが差し込み穏やかな風が漂う中、いよいよ20分間のマインドフルネスのプログラムが開始。

 

川上:体全体を利用して、呼吸を経験しましょう。交感神経・副交感神経と同様、右脳左脳はシーソーみたいなもので、どちらかが上がるとどちらかが落ちます。そのため体の感覚に集中すると言語系が落ちるんです。頭の中で多くの物事が聞きとりにくくなるというか。

 

呼吸に集中するためにはそういうイメージを持っていただけるといいかもしれません。

 

さすが、国内屈指のe-Sportsプレイヤー。微動だにしません。鳥の声などの環境音が鳴り響きながらも、1分、1秒、呼吸に集中。頭から足のつま先まで、全身の感覚を研ぎ澄ましています。

 

川上:心が集中から離れて物事を考え始めてしまうと、普通の人だったら『ダメだ』って思って急いで呼吸に意識を戻そうとするんですが、『これでいいんだ』って思うことのほうが大事です。

 

人間はどうしても物事の善し悪しをつけたがりますが、それって自分の頭の中だけのこと。自分というものを第三者の目線でありのまま見る、そのスキルが今後重要になります。

 

ゲームも同じ。起きていることを感情や判断を入れずに状況としてただ客観視する。集中から心が離れるのは当たり前なんだから、それでいいんだって気持ちでまた呼吸に戻りましょう。

さらなる集中と逆境力は、瞑想で開花せよ

 

ときど:1回目より2回目のほうが、時間が短くてあっという間に感じましたね。  

川上:ゲーム後でフローの状態(時間の感覚がなくなるほど、ある行為に没頭した状態)に入っているので、より集中した状態になっていたんでしょう。これを最低10日から2週間程度続けてみると、さらに大きな変化が見られるはずですよ。集中力にも波があるので、『これでいいんだ』という方向に自然と持っていくためにも、20分とか、ある程度時間を長めに設定するといいでしょう。20分経つと脳内の酸素消費が下がりセロトニンも出てくるので、さらにリラックスした状態になるんです。

 

また、マインドフルネスの考え方は全体的に見ていくことが重要になってくるので、睡眠や食べ物、人間関係の改善も大事になってきます。自分の周りの人間関係を見直してみるのもいいかもしれません。  

ときど:なるほど…。普段は遅くまで練習しているので、朝にこのマインドフルネスを取り入れていきたいですね。スコアが上がるとともに、考え方や物事の突き詰め方ももっとレベルが上がっていく気がします。  

川上:ときどさんと話していると、とても不思議な感じがします。集中の入り方やデータは職人さんと同じ。でも、話をするとアスリート。

 

ときど:ゲームも人間対人間の勝負なので、アスリートに近いと思います。対戦相手が誰であっても、自分の作り上げた型を元に戦うことを目指して日々対戦しているので、そういう意味では職人さんに近い部分があるかもしれません。ただ、その型を作るのがなかなか難しいんですよね。  

川上:無駄な選択をしない、とか。マーク・ザッカーバーグやスティーブ・ジョブスみたいに同じ型の服しか着ないと決めて、日々の選択肢を減らしていくような。私自身も出張の際は、服のバリエーションを最小限に決めて持って行ったりするんです。そういうことが、どのように人間のパフォーマンスに影響していくのか、今後もっと追求していきたいですね。  

ときど:不要なものが勝手に削ぎ落とされていくのかもしれませんね。それこそ、選択と集中なのかも。

 

プログラムの終了後はピリリとした真剣な表情から一変、柔らかな表情へ。ときどの戦いはまだ始まったばかり。二つのトレーニングを継続させて、さらなる成長を見せてくれることでしょう。より強く、進化を遂げたときどの勇姿を目にする日も、そう遠くはないはず。

 

JINS MEMEで集中力を加速せよ。今まで目に見えず不確かだった集中力を計測し可視化することで、自分の課題を明確化して成功へ導いていく----。

 

この魔法のアイテムがあなたの奥に眠るアスリート並みの集中力を呼び起こし、今まで自身でも知り得なかった能力を発揮させるかもしれません。

ときど

プロゲーマー

1985年沖縄県那覇市生まれ。プロゲーマー。本名・谷口一(たにぐち・はじめ)。麻布中学校・高等学校卒業後、東京大学教養学部理科Ⅰ類入学。東京大学工学部マテリアル工学科に進学、卒業。同大学院工学系研究科マテリアル工学専攻中退。2010年、日本で二人目となる格闘ゲームのプロデビュー。理論に裏付けされたセットプレイの構築を得意とし、複数のゲームタイトルで活躍する。年間に出場する国際大会は10を超え、海外大会での優勝回数は常にトップクラスを誇る。大会実績として、World Game Cup 2013優勝、EVO2013準優勝、Id Global Tournament 2014優勝など。TOPANGA所属。

川上(全龍)隆史

宗教法人 春光院 副住職、マインドフルネス講師

2004年米国アリゾナ州立大学・宗教学科卒業。06年に春光院にて訪日観光客を対象に英語での座禅会をはじめる。08年より米日財団日米リーダーシップ・プログラムのメンバー。12年よりトヨタ自動車にておもてなし研修の講師を務める。16年にSIYLiのSIY Engage Programを修了。 現在ではハーバード、MITなどのビジネススクールの学生、グローバル企業のCEOを含む年5000人に禅の指導を行うほか、春光院での同性婚支援など、LGBT問題にも取り組んでいる。