Lab.

集中はチカラ:e-Sportsプレイヤーの集中とパフォーマンス

アタマLAB. 2017.05.29

トップクラスe-Sportsプレイヤーの対戦。勝敗を分けるのは集中力!?

高いパフォーマンスを発揮するために、様々なトレーニングとメソッドを取り入れ深い集中=FLOW状態を作り出すアスリートたち。しかしこれはスポーツアスリートに限ったことでではありません。

ゲームが映し出されたディスプレイを前に、ゲームの腕前を競い合うe-Sportsと呼ばれる競技をご存知でしょうか。ビデオゲームといっても、刻一刻と変わる状況に応じた判断、キャラクター操作など、トッププレイヤー同士の対戦には、アスリート同様に深い集中が不可欠です。

2019年までに、全世界の市場規模は11億米ドル(※1)を超えると言われるe-Sports。プレイヤーたちの戦いのレベルは年々増していくなか、いかに深い集中を操り、自分のものにできるかが重要となっていくことでしょう。

※1参考:Newzoo,2016年度のe-Sports市場の売り上げは4億9300万ドルに上ると予測
記事内参照調査:NEWZOO Global Esports Market Report

今回、JINS MEMEでは国内トップクラスのe-Sportsプレイヤーである梅原大吾さん(以下敬称略)とときどさん(以下敬称略)協力のもと「格闘ゲームプレイ中の集中」を計測。プレイヤーの集中状態が、どれほどパフォーマンスに影響するのかを検証しました。

格闘ゲームの神と呼ばれる2人の集中を可視化

この実測実験に参加してもらったのは、国内外の様々な大会で優勝経験を持つ世界的e-Sportsプレイヤーの梅原大吾と、同じく国内外の大会で活躍する東京大学卒の頭脳派e-Sportsプレイヤーのときど。

2人に闘ゲームで対戦してもらい、対戦中の集中度を計りました。

高い数値を安定して維持し続けたアタマとココロの集中

全7回の対戦中、5勝2敗という結果でゲームを制したのは梅原。

対戦を元に両プレイヤーのアタマの集中を比較したところ、勝利をつかんだ梅原の結果からは、対戦中常に安定した集中力の高さをキープしていることがわかりました。

アタマの集中の計測とは、主に「瞬きの回数」を数値化したもの。瞬きの回数が少なければ少ないほど高い数値になります。

試合中、いかにアタマがゲームに集中し続けていたか、この数値から見えてきます。

次に、ココロの集中に注目してみると、勝利した梅原と、敗北したときどでは大きな違いが。

ココロの集中は主に「瞬きの強度」を数値化しており、規則的かつ一定の強度で瞬きをすることで、より高い数値になります。

この数値が高ければ高いほど、ココロが落ち着き、リラックスしている状態を表すのです。

敗北したときどの結果に着目すると、梅原から攻撃を受けるごとに数値が急激に落ち込み、その後再び数値があがるまで時間を要しています。

これは、攻撃されたことによるココロの動揺を、その後もしばらく引きずってしまっている状態だと考えられます。

対して、勝利した梅原は、いくら攻撃を受けてもココロの集中はびくともせず、高い数値を維持し続けていました。

この数値が2人の勝敗を分けた原因へとつながるかもしれません。

また、梅原のアタマ・ココロ・カラダの総体的な数値やグラフを見ると、すべてにおいてポイントも高く、グラフも安定して高い数値を保っており、全7試合を通して常に高い集中力を維持し続けていたことがわかりました。

「最初から最後まで、戦いの構図を崩すことができないまま、対戦相手に手堅く立ち回られてしまった」と、ときど。

7戦中2戦は勝利したものの、対戦全体を通してみるとココロの焦りが各数値に顕著に表れ、勝敗の結果へ繋がってしまったと言えます。

対して梅原は「終始想定内でうまくいった」というコメントを裏付ける、ココロの集中の高い数値にも納得の結果となりました。

国内最大級のe-Sports大会「RAGE」でエキシビジョンマッチを開催

梅原とときどの対戦によって可視化された、e-Sportsプレイ中の集中。

その傾向をさらに深く探るべく、国内最大級のe-Sports大会「RAGE」の協力のもと、大会内にて行われたエキシビジョンマッチでも同様の実測実験を行いました。

「RAGE」で行われた実験ではJINS MEME OFFICEを実測実験用に特別にカスタマイズ。対戦画面のキャラクター表示の下に、アプリで取得されたアタマ・ココロ・カラダの数値を、リアルタイムで表示させました。

今回対戦するのは、国内トップクラスプレイヤーのプロゲーマー、トンピーさん(以下敬称略)とコイチさん(以下敬称略)。

「大会に出場した後は、いつも対戦動画を見ながら各局面を振り返っているので、それにプラスして集中度が数値として可視化されるのは興味深いです」と、トンピーから分析ツールとしての期待を寄せていただきました。

この実証実験では格闘ゲーム実況の第一人者として知られる、せんとすさんが実況を担当、加速していく現場の熱狂をそのままに、オンラインでも中継が行なわれました。

2ラウンド先取で勝敗を決める今回の対戦。

初戦はトンピーが1勝、その後追いつくかたちでコイチが1勝を挙げ、会場全体が興奮に包まれる中、最終戦で見事トンピーが巻き返すという接戦に。エキシビジョンマッチはトンピーの勝利で終了のゴングが鳴らされました。

プレイヤーの集中度を示すグラフは横軸がプレイ中の時間軸、縦軸が集中度になっており、赤い点線より上が高い集中状態を表します。

これらの結果を含め対戦中の各局面に焦点を合てていくと、いずれのプレイヤーも対戦相手から追いつめられ、その後反撃を仕掛けていくようなタイミングで、アタマの集中があがっていく傾向が強いようです。

また、全3ラウンドを通して比べてみると、戦いに勝利した左のトンピーのグラフは赤い点線を越える状態が多く、コイチより集中が高く、対戦中の集中が対戦結果にも影響していることがデータからも明らかとなりました。

RECOMMENDED CONTENTS

>>負けないココロを支えるカラダ
e-Sportsプレイヤーときどの集中力トレーニング
>>プレッシャーに負けないチカラ
e-Sportsプレイヤーときどの集中力トレーニング