interview05 坪田一男

「まばたきの変化によるドライアイ判定の意義」

神経工学の視点から、眼電位検出技術の開発秘話とJINS MEMEが世の中にもたらす可能性を語る。

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坪田一男です。
現在、慶應義塾大学の眼科学教室、それからヘルスサイエンスラボで働いています。

僕たちはドライアイを研究するときに、まばたきというものに注目しました。人は、まばたきをする度に眼の表面に新しい海を作って、目が乾かないようにいつも濡らしているんですよ。まばたきが減ってしまうと乾いちゃう。例えばコンピュータをやっていると乾く。今度は逆に乾いてくると、まばたきの回数を増やして、なるべく目を濡らしておくという補償メカニズム(コンペンセーションメカニズム)が働きます。これらを測定することによって、その人のドライアイの状況が把握できます。

血圧も、最初は病院行って測っていましたが、今は自分で測るでしょう。いわゆる、セルフチェック、セルフモニターのために非常にJINS MEMEが使える可能性があると。未来の領域なので何がパラメーターなのかわからないですが、何か自分自身を見つめるためのパラメーターがそこから出てくる可能性があると思います。例えば、患者様がいらしたら待合室で待っている間に、ずっとかけてもらう。その時間は今まで無駄でしたが、待っている時に新聞を読んだり、TVを見たり、話している間の情報を元にして、ドライアイなり、様々なアレルギーなりの診断の補助にできたら、それは面白いですよね。

JINS MEMEをかけていますと、その位置情報も動きの情報も全部わかりますから、その人がどういう生活をしているのかが分かる。それから夜寝ている時も、もちろん動きませんよね。だけどその中で、レム睡眠と言って、目だけは夢を見ている時に動くんですよ。JINS MEMEがあれば、これによってその人のサーカーディアンリズム、体内時計を24時間評価することができる。こんなデバイスは素晴らしいですよ。

自分は眼科医ですから、目を通して世界を見ます。このJINS MEMEを通して、目からの情報を通して、その人の健康を全て見られるような研究ができたら素晴らしいと思っています。

坪田一男(つぼた・かずお)

慶應義塾大学医学部眼科学教室 教授。80年同大学医学部卒業後、日米の医師免許を取得。85年米国ハーバード大学留学、87年角膜クリニカルフェロー終了。現代病といわれる“ドライアイ”にもいち早く着目。角膜移植治療における新しい医療も展開するなど、質の高い医療提供に努める。2000年より最先端のアンチエイジング医学を学び、医療界にこれを積極的に導入。食事・運動・心を3本柱として研究を続けている。

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