interview01 川島 隆太

「JINS MEME開発の原点と見据える未来」

JINS MEME開発の原点は何だったのか。“アタマとカラダを知る”という世界初のデバイス開発にかける想いを語る

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東北大学加齢医学研究所の川島です。

私は人間の脳の働きを画像化するという研究を主にやっています。田中社長が東北大学に来た時には、頭を良くするメガネを作りたいと、とんでもないことを言ってきたんですが、最終的にメガネを使ってセンシングができると面白いんじゃないかと。自然な形でセンサーを頭に付けることができるのがすごく魅力的だなということで、話がどんどんJINS MEMEの方にまとまっていきました。

僕達自身は、脳の働きを直接計測するんですが、残念ながらメガネを使って脳の働きを計測することはできません。ただ少なくとも、頭の動きと目の動きは計測できる。目の動きや頭の動きから、逆に脳の働きを推測することは可能だと考えています。脳の働きの中でも例えば、集中している時には、おそらくまばたきの回数や眼球運動に表れるだろうと。脳の働きを直接取ろうと思うと、かなり大きな装置を使わないと測れないんですね。ところが目の動きから、生活している間の脳の働きを推測できるようになると、24時間すべての人が、今脳の働きがどういう状況にあるかをオンラインで見続けることができる。こうなってくると、ビッグデータの解析というところに当然入っていくわけですが、ものすごく多くのいろんな情報が出てくるんじゃないかなと期待しております。

今私達が期待しているのが、認知症のような精神神経疾患になると、歩行状態が乱れることがあるので、もしかすると超早期診断に使えるんじゃないかということです。

教育への応用では、二つ考えられます。一つは教師と生徒のモデルの中で、生徒たちがどれだけものを理解しているかということが、JINS MEMEの六軸センサーと眼球運動を測るときれいに見えると思います。あとは個人が、例えば勉強に集中しているかどうかなんてことも、眼球運動やまばたきの形跡から見ることができると考えます。

数年後の未来ですが、例えばオフィスワーカーの方は、このJINS MEMEをかけて、自分自身の心が疲れる前に休憩を入れたりする。学校のクラスなどでは、先生方がより良い教え方を自ら学ぶために、JINS MEMEを応用する。こんな未来を夢見ています。

私達はスマートエイジングという概念を提唱しています。これは、その人がその人なりにより良い状態で暮らし続けるということを意味しています。心と身体の働き具合を質・量ともに計測できるJINS MIMEを使っていると、おそらくより良い自分でいるためにどうしたらいいか、というヒントを自分でつかむことができると思います。

JINS MEMEというのは、目の動きと頭の動きを測る装置です。ただこれにはものすごく多くの生体情報が含まれています。ですからこの装置を多くの方々に手にとって頂くことで、私達が思ってもみない使い方が起こるんじゃないか、こんな期待もしています。

川島 隆太 (かわしま・りゅうた)

東北大学加齢医学研究所 教授。89年東北大学大学院医学系研究科修了。博士(医学)。カロリンスカ研究所(スウェーデン王国)客員研究員、東北大学未来科学技術共同研究センター教授、東北大学加齢医学研究所教授、東北大学加齢医学研究所スマート・エイジング国際共同研究センター センター長等を経て、2014年より現職。研究テーマは、脳機能イメージング、脳機能開発。

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